2020年8月31日の連続在職日数が憲政史上最長となってわずか4日後、安倍晋三首相が持病の悪化を理由に辞意表明をしました。
その前には検査のための大学病院を訪れたことでニュースとなり健康問題が話題になっていました。そして今の話題はポスト安倍が世間を賑やかせています。今後の予定は自民党総裁選を9月上旬に告示、15日までに投開票する見通しです。臨時国会は17日にも召集され、衆参両院の本会議で首相指名選挙が実施されます。
ポスト安倍の候補として、最初にあげっておりました名前は岸田氏、石破氏、河野氏、小泉氏、菅氏等々でしたが、派閥間の調整などで今のところ菅氏、岸田氏、石破氏の3名が有力な候補となっているようです。
最大派閥の細田派、その他麻生派、竹下派、二階派などが菅氏の支持を表明していますので都道府県連代表票の部分の141票を落としたとしてもどうやら菅氏になる構図となっているようです。
ところでこの古代社会の遺産のような組織:『派閥』とは、出身・縁故・利害・政治的意見などで結びついた人々が形成する排他的な小集団とあります。
そもそも政党自体が政治的意見で結びついて形成している集団のはずですが、自民党のなかにもこれほど多くの派閥があって勢力争いをしているなんて、なんて旧来的な無駄な村社会的な組織構成かと思ってしまいます。辞書にあるように排他的でもあります。
そしてその派閥には長老的なご意見番がいて派閥の統率をしていることがうかがえます。
それゆえに派閥内にいる若手がたとえどんなに優秀で統率力のある存在でも、その長老のお気に入りにならない限りはとても表舞台に出て日の目を浴びることはないのでしょう。
また、派閥内では当然年功序列的な縦社会が構成されて、先輩を差し置いて総裁選出馬などはあり得ないことは明々白々です。
そんなこともあり日本の政治家の社会ではそのような長老が引退もせずに、90歳近くになっても圧倒的な力をもって支配を継続しているため、革新的な改革や若い指導者が現れない弊害があるのではないでしょうか。
時には助言を受けて参考にすることは必要とは思いますが、ITがこれだけ世界的に普及し世の中の変化のスピードが上がっている中、日本が東南アジア諸国、そして世界から遅れをとり、過去の栄光のせいでプライドだけが高い国になってしまっていて世界の経済的な発展に取り残されている自覚が足りないようです。
民間企業のように国会議員、政党にも定年制が必要ではないのでしょうか。
国政を決める大切な会期中に森かけだの桜だとかに時間を費やしている間に尖閣はサラミスライスで実効支配を進めようとする国があったり、南沙諸島問題、ウイグル問題、国内の水源の買収問題、敵対国による土地買収など近隣国との危機的な問題が迫っている中で何も方策が話し合われていないことが大問題でないでしょうか?
今回の安倍首相の辞任のニュースも世界的に見てもほとんどニュースとして取り上げることもなくスルーされているのです。過去の栄光のプライドのせいでそのことが理解できていないことが大きな問題に思われます。
決して左派ではありませんが自民党も旧態依然の体質を早急に改善して世界を相手にできる人材が総裁になっていただきたいですね。