昨夜のアリババグループのANTのIPOが中国政府の指示で延期となり、米国市場では10%近い下げをしていました。
今朝の香港市場でもALIBABA株は大きく下げての取引開始となりました。
・BABA(ALIBABA) 277.20 -22.60 (-7.54 %)
何と表現をしたらよいのでしょうか、見事なまでに直角で落ちています。
逃げ遅れてしまいホールドしたままになりました。もしもスタートと同時に売却をしていましたら底値での売却になっていました。今となってはこのまま持ち続け今後の動向を見守ろうと思います。
それにしてもIPOの2日前にこんなことが起こるとはやはり中国市場のリスクは高いとしか思えません。
再度本日のニュースで見ましたところ以下の報道がされています。
中国当局によるフィンテックに関する新たな規制の導入、また当局がJack Ma(ジャック・マー)氏や他の幹部を聴取したことを受けての措置だ。
中国の金融当局トップとAntの間でもたれた稀にしか行われない話し合いで「フィンテック規制における大きな変更」が明らかにされ、これによりAntが11月5日の上場の基準を満たさなくなるかもしれない、と上海証券取引所は11月3日夜に出した声明で述べた。
そうした「変更」がどういうものなのかは明らかではないが、同証取はAntにそれらを開示するよう求めた。10月下旬にマー氏が中国の金融規制を批判する刺激的なスピーチ(新波財経記事)を行っていたことは記すに値する。スピーチが行われたカンファレンスには中国の上層部も出席していて、後に広範にわたる論争を巻き起こすことになった。
Antは上海証取からの通知を受け、計画していた香港でのIPOも一時停止した、と声明の中で発表した(Ant Groupリリース)。
Ant FinancialからANT Technologyにブランド名を変更したとき、この動きは金融大手を脅かすという同社のイメージを払拭し、優しいテクノロジープロバイダーの1社であることを強調するものだと受け止められ、従来の金融機関(多くが国有だ)とは競合していない、ということを周知するキャンペーンを数年前に始めた。
しかし中国の金融当局はAntが世界最大のIPOで345億ドル(約3兆6000億円)を調達することになっていた数日前にフィンテック部門を監督するための新たな提案を11月2日に発表した(中国銀行保険規制委員会リリース)。
規制草案には、当局が認めたもの以外の地方間オンラインローンの禁止、個人向けのオンラインローンの最高額を30万元(約470万円)とすること、オンライン小口融資貸し手の登記資本金を10億元(約157億円)とすることなどが盛り込まれている。
AntのIPO目論見書によると、貸付事業は急成長中で、同社の年間売上の34.7%を占め、額にして419億元(約6600億円)だ。6月までの1年間にAntは約100行の銀行と共同で1兆7000億元(約27兆円)の消費者金融を実施し、中小企業に4000億元(約6兆円)を貸し付けた。
中国の金融当局は近年、フィンテック企業の拡大と収益性を抑制しようと、多くの規制を導入してきた。例えばAntの決済サービス Alipayと、そのライバルサービスは、顧客準備金から利子収益をあげることが2019年から禁じられていた。
中国内で金融関連の業務は政府系列の銀行のみで取り扱えるとする政府の強い方針がIPOの2日前に示されたということです。
現在のALIPAYの業務内容について決済以外の部分では政府が譲ることはまず考えられないので今後ALIBABAの方で見直しが迫られることになりそうです。
上場の申請を承認する前になぜこれらの懸念を協議しなかったのかが、やはり中国企業のリスクが存在していることを念頭に置かなければいけないですね.