◆中国系アプリ TikTok と WeChat アメリカでのダウンロード禁止が延長
アメリカ商務省は9月18日、国家安全保障上の懸念を理由に、TikTokと対話アプリ「微信(ウィーチャット)」の米国内での新規ダウンロードを9月20日から禁止すると発表していましたが、ダウンロード禁止措置の発動を27日まで1週間延期すると発表しました。
・TikTok
TikTokは最大60秒の動画を投稿するサイトで、米モバイルアプリ調査会社「Sensor Tower」が4月29日に発表したアプリストアのデータによると、バイトダンス(字節跳動)が展開するショート動画アプリ「抖音(Douyin)」と、その海外版「TikTok」の全世界におけるダウンロード数の合計が、App StoreとGoogle Play合わせて20億回を超えたとのことです。
皆さんご存知のように特に若い世代で流行していて短いダンス投稿が多く投稿されていて、手軽にできるので多くの方の支持を受けています。
このアプリケーションは言うなればLINEのようなSNSのアプリで、メッセージの送信、通話、そしてFaceBookのような写真付きで投稿ができたり、電子決済ができたりと先発のアメリカのアプリをいいとこどりして中国市場では大きなシェアを占めています。
背景には中国内では通信規制としてグレートファイヤーウォールと呼ばれているインターネットの規制があり、LINE、FaceBook、Googleが遮断されていて使用できない、メッセージや通話にはすべてフィルターがかけられ治安維持のために内容が管理されています。
私も中国での生活を香港と行ったり来たりで20年以上していましたが、香港と違い中国内ではインターネットのスピードが異常に遅い、LINEやFaceBookが使用できない、海外で起こっているニュースが直接入らない、報道される場合も独自の立場からの報道になっていました。
アメリカ側の主張では個人情報収集に利用される疑いのあることを懸念して、このようなダウンロードの禁止措置を設けようとしているとのことです。アプリを通じて利用者の、通話、行動追跡、顔や指紋などの個人認証のデータ、個人情報 等々が何らかの形で利用されることが疑われているためです。
今、世界で人気のある楽しいく便利なアプリの陰にはとても危険な情報収集の機能があると疑われていることが背景となっていることです。
香港では昨年の混乱中にはSNSのアプリのみならず、OCTPUSカードというプリペイカードも行動の追跡に使用されるとの懸念から現金、そして暗号化した通信のアプリを利用していたとも聞いております。
香港と中国で25年を過ごしました筆者は、香港の返還直後にいろいろな変化を肌で感じとっていました。そして最終的には撤収を決め日本へ生活基盤を移しました。